276. 柿と藍

276. 柿と藍 2010年 375×500mm E.M.グラフ  額装価格: 200,000(税別)

ある日の夕刻、いつもの立飲み酒場に現われた定年の頃かと思われる得体の知れぬ人物、心地良くハイボールを2~3杯飲み終えたと思う頃、ポチャーとした美 人が店に入って来た。ふとその人の手元を見ると紅い柿を枝ごと持っていた。その人、生ビールを注文して柿を得体の知れぬ人物の横に置いたのだった。たちま ちのうちに初老(得体の知れぬ人物)の男が美しい柿に話しかけたのでした。あまりに柿の美しさを誉めたたえたためそのポチャ美人は初老にその柿を一つ差し 上げたのです。初老の男は嬉しがって、たちまち、この柿の絵を描いて差し上げると約束してしまったのです。初老人はその柿を持ち帰ったものの描くにはアイ デアが出ずに、3~4日経て、苦しんだ末にふと、自慢の藍の皿にころがしたところ、何と美しい、夕刻の光に映えて美しく紅柿と藍がハーモニーしたのでし た。さてこの初老人(得体の知れぬ定年頃かと思われる人物)誰でしょうか?