281. 魚が迷い込んだバー 2010年 450×560mm E.M.グラフ 額装価格: 250,000(税別）
ある日友人のミュージシャン・トミースナイダーの小さなコンサートに出掛けた。葉山のラマーレ・ド・チャヤの1Fバーでのカジュアルなシックなコンサートだった。富夫（ぼくはトミーをこう呼んでいる）らしくピアノを自ら弾きながらのバラードがバーに流れた。ビールを飲んでワインを、そしてスコッチのハイボールをたのんで酔いはゆっくりとまわって、目は中空を徘徊していた。ハイボールになって、4杯目でバーの中空は海水で満たされて来て、ぼくの目の前に魚が現れた。ゆっくりとゆっくりとその迷い込んだ美しい魚は、しばしホバーリングしていた。富夫のバラードと魚が一体となった。