35. SEA VIEW RESTAURANT

35. SEA VIEW RESTAURANT 1987年 478×673mm リトグラフ 額装価格:  750,000(税別) SOLD OUT

ジャンクフードばかり食べていると、こんなレストランで食べてみたくなるのは、なにもジャンクフードをこの世に誕生させ育み、世界中に氾濫させたアメリカ 人だけではないようだ。わたしも、この2、3日のジャンクテイストに辟易としていたので、ためらうことなく、海の幸を求めてエントランスを堂々とくぐった のだった。ロブスターやムール貝をオーダーして、ビールとワインそして数種類のパンがテーブルに届いた。パンを食べながらビールとワインの酔いがきたころ に、ようやくムール貝がやってきた。さらにロブスターがテーブルに並んだ。すでにエントランスをくぐってから40分が経過していた。ムール貝は比較的大き 目のやつが一人では食べきれない程、バターをベースにしたスープと一緒になっていたが、いたって単純な料理法で、アサリのバター蒸しと貝の違いこそあれ、 同じものであった。ロブスターは大きく柔らかい身だったが、よく噛んで味を口中に広げると、おやっと懐かしい香りがした。一瞬口にするのをためらった が、”かつおぶしだ”と解った。そうなんです。合成調味料の「本だしかつお」の香りだった。調べもしないで断言はできないが、味が妙に口に広がるので、お そらく調理寸前まで本だしかつおのスープにひたされていたのではないだろうか。以前にハワイで食べたロブスターと同じだった。この時には、調理をしたレス トランのマネージャーが知人だったので後で教えてもらったのだが、それによると、冷凍のロブスターの背を電動ノコで割って、本だしかつおのスープで軽くボ イルしながら解凍して行くのだそうだ。待つこと40分、食して10分のシーフードは、飲みすぎたワインとビールも含めて2人で65ドル支払い10ドルの チップをテーブルに置いて、今度は再度ジャンクにしようと2人は固く決意した。