189 きっとどこかに

189 きっとどこかに 1999年 636×760mm シルクスクリーン 額装価格: 400,000(税別)

メイン州、リアス式海岸の半島の根元に佇む小さなハーバーに来た。ハーバーの名はBOOTHBAY、昨年(1998年)描いた、『あの頃の二人』のロケー ションにある。あの時は、朝5時頃にハーバーに行くと、The Way We Wereという曲が、私の中に流れて来た。静まりかえったハーバーに、私の、あの頃の二人が蘇った。懐かしい香りが私を包み、10数年も遡った2人が、そ こに佇んでいた。小さなハーバーに始まった、小さな物語も終わりを迎えないままに、それぞれの物語にペンを持つことになってから久しい。懐かしい潮の香り に、ふと振り向くと、小さなBOOTHBAYの入江が美しく輝いていた。きっとどこかに…2人の小さな物語は、こんな小さなハーバーから、再び始まるのだ ろうと感じた。