190 素朴に帰る 1999年 520×452mm シルクスクリーン 額装価格: 350,000(税別) SOLD OUT
あ。あの頃に帰りたいと、その時思った。それは人生がスタートした頃、30数年前20才の頃のことだ。今あるもの全部を捨ててもいいから、あの頃に帰りた い…。モノに縛られ人間関係に縛られ、いつのまにか身動きが出来なくなっていてるぼくが、このボートを見ている自分に自問した。午前6時頃だろうか、朝陽 が昇ってボートに陽がさして、そう思った。素朴だった頃の自分に帰りたい。美術を志して風を切って歩いていた頃の生活に帰りたい。美しいモノに素直に感動 していた自分を取り返したい。いま、自分が得た人生は長い時間をかけて来たが、かけがえのない人々やモノは多くある。それは、否定することは出来ない人生 だ。けれども、妙に懐かしく素朴な昔が思い出されてならないのだ。ナニもなかったが、体中の血液がサラサラと清流の様に流れて、美術一直線に全身を傾けて いた頃だ。Back to the Simple lifeに帰りたい。