283. 街角の陽だまり 2010年 460×650mm E.M.グラフ 額装価格: 300,000(税別)
カンヌだったかニースだったのか、南仏の海岸通りを1~2本山側に入った下町に足を踏み入れた。午前10時頃で昼の支度に忙しい主婦たちが何やらデリカテッセンかパン屋のような店に行列していた。ふと横には、車両関係のミッチェルさんのガレージが木漏れ日にむせ返っているではないか。光がすべての物事を覆い隠そうと燦然と輝いていたのだ。どこにでも美しいシーンは存在するのだ。あえて下町の昼支度をここに描いたには、光の有様を描くのがぼくのテーマだと思うようになって来たからだ。何でもないありふれたシーンだからこそ、見なれた状況だからこそ、そこに、ある一瞬だけ光が見せてくれる芸術があるのだ。ぼくはいつもそんな光景をみつけようとしている。