295. 戯れあう翼 2012年 600×480mm E.M.グラフ 額装価格: 280,000(税別)
いつの頃からか、白い光が膨張する有様をイメージすることが、おもしろくて描く様になった。ただ面白いと言うだけでなく膨張する白い光があると、その表現する環境が大きく姿を変え、変幻にイメージを表現することが出来ることを見つけたのだ。風景の細部よりも白い光の方に目がゆき、風景との間に奥行きが出来て、その空間に今までは見ることのなかった魅力が現れてきたのだ。すなわち主役だったはずの描き込んだ風景が背景となって主役の光に大いなる魅力を与えることとなったのだ。光の表現方法に翻弄され続け、長い年月ののちに個性あふれる表現にたどり着いた偉大な先達に、ほんの少し近づけた様な気分になってはいけないだろうか。このロケーションはマイアミ・フォート・ローダディルの碧い運河だ。白い光が飛び交い、そして戯れあう光景が長い間続いた。夢を見ているような光景だった。