123 マイアミの碧い運河

123 マイアミの碧い運河 1993年 518×998mm シルクスクリーン 額装価格: 730,000(税別)

僕のアメリカ取材の旅はいつも車が大きな役目を果たしている。なぜ?って聞かれると困るが、あまりにも広大な国だから、歩いていると時間と靴がいくらあっ ても足りないからとか、さもないと危険と散歩しているようなもんだからとか、何もアメリカで体力の限界を知ることもなかろうとか、ワケの解らない自問自答 をしてしまうくらい、このマイアミの美しい運河のリゾートタウン、フォート・ローダディールは面白さに溢れていた。櫛の目のような運河によって水路が入り 組み、そしてその櫛1本1本が櫛の目のように……そう、杉の葉が杉の小枝に、そして小枝が集まって大きな幹に繋がっているように、運河で作り上げた水の街 並がここにある。水に囲まれた美しい公園のようだ。我家の前に水があって、そして船があったら……そんなことを中流で実現してしまったのだから、本当に ウォーターフロントがここの住人全部に行き渡っていて、合言葉にまでなっているという嘘のような本当の事情なのだ。さて、こんな事情なので、取材は困難を 極めた。なぜ?って聞かれると、プライベートの運河が多いために、時間と靴がいくらあっても足りないし、撮影の許可を得てないので、巡回しているセキュリ ティーに捕まらないようにしなければならなかったし、一日中歩いて歩いて、神経も磨り減らして疲れ果て、遂に、アメリカに於ける体力の限界を知ってしまっ たのだ。